アメリカへの大学進学を検討する上でまず気になるのが「留学費用について」ではないでしょうか?
物価が高いと言われるアメリカでは、学費だけでなく、生活費や渡航費なども含めたトータルの費用が気になるところです。この記事では、アメリカ大学留学の学費の内訳から生活費や渡航費などの留学費用についてご紹介します。
また、奨学金や学費減免制度といった節約術もご紹介しているのでぜひ参考にしてください。
アメリカの大学学費は、大きく分けて授業料とその他費用に分類され、その他費用の中には施設費や教材費など、授業料以外にも多くの費用が含まれます。以下でそれぞれの内訳を見ていきましょう。
授業料
授業料は、履修するコースや単位数、大学のレベル(学部、大学院)、そして大学の種類(州立大学、私立大学)によって大きく異なります。一般的に、私立大学は州立大学よりも授業料が高額です。また、大学院の授業料は学部よりも高額になる傾向があります。
さらに、同じ大学内でも、ビジネススクールや医学部といった専門性の高い学部は、他学部に比べて授業料が高い場合が多いです。
その他費用(施設費、教材費など)
その他費用は、授業料以外にも大学生活を送る上で必要となる様々な費用が含まれます。以下で主な項目をご紹介します。
費用項目 | 内容 | 金額の目安 |
---|---|---|
施設費 | 図書館、体育館、学生会館などの大学の施設維持管理費 | 年間$1,000~$3,000程度 |
教材費 | 教科書、参考書、ノート、パソコン、ソフトウェアなどの費用。専攻分野によっては高額になることも。 | 年間$500~$2,000程度 |
学生健康保険料 | 大学が指定する学生健康保険への加入が必須の場合が多い | 年間$1,000~$3,000程度 |
テクノロジーフィー | インターネットアクセス、コンピューターラボの利用料など | 年間$500~$1,000程度 |
学生活動費 | 学生自治会費、クラブ活動費、イベント参加費など | 年間$200~$500程度 |
オリエンテーション費用 | 入学前のオリエンテーションプログラム参加費用 | $100~$500程度 |
卒業費用 | 卒業式、卒業アルバム、卒業証書発行などの費用。 ※卒業する年のみ | $100~$500程度 |
アメリカの大学学費は、大学の種類(州立・私立)、学位の種類(学士・修士・博士)、専攻分野、そして大学のある州によっても大きく異なります。
州立大学は、州内の学生(in-state student)と州外の学生(out-of-state student)で学費が大きく異なります。州内住民は州の税金によって学費が補助されているため、州外住民よりも低い学費で学ぶことができます。
留学生の場合は、基本的に州外の学生(out-of-state student)と同じ学費もしくは、州外の学生より高い留学生向けの学費が適用になります。一部の大学では、一定の規定をクリアすることで州内の学生と同じ学費が適用になることもあります。
4年制大学
カリフォルニア大学バークレー校やミシガン大学アナーバー校などの有名州立大学は、州外住民の場合、私立大学に匹敵する学費となる場合もあります。
区分 | 学費(年間) |
---|---|
州内住民 | $10,000~$40,000 |
州外住民 | $25,000~$70,000 |
2年制大学(コミュニティ・カレッジ)
コミュニティ・カレッジは、4年制大学に比べて学費が安く、編入制度を利用して4年制大学に編入することも可能です。費用を抑えたい学生にとって魅力的な選択肢と言えます
区分 | 学費(年間) |
---|---|
州内住民 | $3,000~$10,000 |
州外住民 | $8,000~$20,000 |
私立大学は州の補助を受けないため、州内住民と州外住民、留学生の学費の差はあまりありません。一般的に州立大学よりも学費が高額です。
有名私立大学
アイビーリーグをはじめとする有名私立大学は、学費だけでなく、生活費やその他諸費用も高額になる傾向があります。
大学名(例) | 学費(年間) |
---|---|
ハーバード大学 | $50,000~$80,000 |
スタンフォード大学 | $50,000~$80,000 |
マサチューセッツ工科大学 | $50,000~$80,000 |
イェール大学 | $50,000~$80,000 |
プリンストン大学 | $50,000~$80,000 |
その他の私立大学
有名私立大学以外にも、リベラルアーツカレッジ、宗教系大学、専門学校など、様々な私立大学が存在し、学費も大学によって大きく異なります。それぞれの大学の特色や教育方針を考慮して、自分に合った大学を選びましょう。
大学の種類 | 学費(年間) |
---|---|
リベラルアーツカレッジ | $40,000~$70,000 |
宗教系大学 | $20,000~$50,000 |
専門学校 | $10,000~$40,000 |
大学院の学費は、学部と同様に大学の種類や専攻分野によって大きく異なります。一般的に、私立大学の大学院は州立大学の大学院よりも学費が高額です。また、MBAやロースクールなどの専門職大学院は、他の大学院に比べて学費が高額になる傾向があります。
大学院の種類 | 年間学費の目安 |
---|---|
州立大学 | $20,000~$50,000 |
私立大学 | $40,000~$80,000 |
専門職大学院 (MBA, ロースクールなど) | $50,000~$100,000 |
これらの金額はあくまで授業料であり、寮費や食費などの生活費は含まれていません。
生活費を含めた留学費用は、大学や生活スタイルによって大きく変動するため、個別に確認が必要です。
アメリカ留学には、学費以外にも様々な費用がかかります。留学生活を安心して送るためには、これらの費用についても事前にしっかりと把握し、準備しておくことが重要です。以下に、学費以外の主な費用項目を詳しく解説します。
生活費
生活費は、留学先や生活スタイルによって大きく異なります。大都市圏は物価が高く、地方都市は比較的安価です。また、自炊を多くすれば食費を抑えられますし、外食が多い場合は食費がかさみます。寮生活かホームステイか、あるいはアパートを借りるのかによっても費用は大きく変わってきます。
項目 | 費用の目安(月額) | 備考 |
---|---|---|
寮費 | $800~$1,500 | 大学や部屋のタイプによって異なります |
食費 | $300~$600 | 自炊の頻度や外食の回数によって異なります |
交通費 | $50~$200 | 公共交通機関の利用状況によって異なります |
日用品費 | $50~$100 | シャンプー、洗剤、トイレットペーパーなどの費用です |
交際費 | $100~$300 | 友人との外食や娯楽にかかる費用です |
携帯電話料金 | $50~$100 | プランによって異なります |
その他雑費 | $50~$100 | 想定外の費用に備えておくことが大切です |
渡航費
渡航費は、航空券の価格によって大きく変動します。時期や航空会社、予約時期によって価格が異なるため、複数の航空会社や旅行代理店を比較して、なるべく安い航空券を探しましょう。直行便と経由便でも価格が大きく異なる場合があります。オフシーズンや早めの予約で割引が適用される場合もあります。 目安としては、往復で$1,000~$2,000程度と考えておきましょう。
ビザ申請費用
学生ビザ(F-1ビザ)の申請には、SEVIS費とビザ申請料が必要です。SEVIS費は$350、ビザ申請料は$185です。これらの費用は、ビザ申請前に支払う必要があります。
保険料
医療費が高額なアメリカでは、留学保険への加入は必須です。多くの大学では、大学が指定する保険プランへの加入が義務付けられています。保険料は、大学やプランによって異なりますが、年間$1,000~$3,000程度が目安です。保険に加入していない場合、高額な医療費を自己負担しなければならなくなる可能性があるので、注意が必要です。
これらの費用以外にも、教科書代やパソコン、語学学校の費用なども必要に応じて考慮しましょう。
留学にかかる総費用は、留学期間、大学、専攻、生活スタイルなどによって大きく異なりますが、1年間の留学で$30,000~$70,000程度かかることを想定しておきましょう。余裕を持った資金計画を立て、安心して留学生活を送れるように準備することが大切です。
アメリカの大学進学は高額な費用が伴いますが、さまざまな方法で学費を抑えることができます。
奨学金は、返済が必要なものと返済不要なものがあり、返済不要な奨学金は学費節約に最も効果的な方法の一つです。さまざまな種類の奨学金が存在するため、積極的に情報収集を行い、自分に合った奨学金に応募しましょう。
フルブライト奨学金
フルブライト奨学金は、日米両政府の協力によって設立された、世界的に権威のある奨学金制度です。多様な分野で学ぶ日本人学生を対象としており、選考基準は非常に高く、競争率も激しいですが、採択されれば学費や生活費の大部分をカバーすることができます。
フルブライト奨学金
民間団体奨学金
民間団体奨学金は、企業や財団などが独自に提供する奨学金です。それぞれの団体が独自の選考基準を設けており、対象となる学生や支給額も様々です。文部科学省が主導する「トビタテ!留学JAPAN」をはじめ、多くの団体が奨学金制度を設けているため、積極的に調べてみましょう。
奨学金名 | 支給額 | 応募資格 |
---|---|---|
トビタテ!留学JAPAN | 月額最大16万円、留学準備金最大35万円、授業料30万円 | 日本国籍または日本への永住が許可されている者、申請時に日本の大学や大学院に在籍している30歳以下の学生 |
日本学生支援機構(JASSO)海外留学支援制度 | 月額356,000円(年間上限1,000万円) | 日本国籍または日本の永住権を持つ者、その他定められた条件を満たす者 |
柳井正財団奨学金 | 年間最大US$100,000を4年間支給 | 日本国籍を持つ高校3年生、家計支持者の所得が2,400万円以下であること |
孫正義育英財団奨学金 | 対象者の実力に応じて決定 | 応募時点で25歳以下、国際大会などで優秀な成績を収めた者や学業・研究で秀でた成績を持つ者 |
江副記念リクルート財団奨学金 | 最大2,700万円(2年間) | 応募時点で24歳以下、器楽・スポーツ・アート・学術の各分野で実績がある者 |
多くの大学では、学費減免制度を設けています。成績優秀者や経済的に困窮している学生に対して、学費の一部または全額が免除される場合があります。留学生向けの学費減免制度も存在するため、各大学のウェブサイトや募集要項で詳細を確認し、申請資格を満たしている場合は積極的に活用しましょう。
アメリカでは留学生は原則アルバイトが認められていません。ただし、キャンパス内であれば週20時間以内で働くことができます。主な仕事は、キャンパス内の清掃や食堂の給仕係、中には教授の助手として働く人もいます。時給は決して高くはありませんが、留学中のお小遣いを稼ぐのにおすすめです。
アメリカの大学への留学は、高額な学費が大きな壁となります。どのような費用が必要なのかしっかりと把握し、また奨学金制度なども上手に活用しながら、計画的に準備を進めましょう。
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